◆ ホバリング
瀬戸川上流には
スロープはないので七尾橋からロープでその資材を釣り上げることになった。
水量・流れがあり真下でボートを止めるのも一苦労だ。
幸い自分は海で風と潮にたてる練習をしていたので
何とか迷惑をかけずに済んだと思う。
「なんでも練習していてよかったぁ」と実感。
一通り運搬した後 待機となった。
「昨日から泊まりで頑張っているスタッフの方には少々申し訳なかったが、
午後の部の大変さを予期して少し休憩を取ることにした。
泥だらけのデッキや雨も気にする余裕もなく
横になって15分位仮眠をとった。
◆ 急がば回れ
今回最大に実感したことである。
自分のもっとうは「急がば回れ」である。
常日頃から心がけてはいるがいつまでたっても思い知らされている。
今回もそうだった。最終の運搬は大川村から下流スロープまでの人員だった。
すでに
一便の送りの時点で
目を凝らさないと流木が見えない暗さにあった。
途中 流木の帯が数箇所あったがスタッフの方々の協力もあり
20分弱で到着することができた。
だがその帰り(迎え)の便に今回最大の試練が待ち構えていた。
さっき
通ってきたので少しはスムーズに行けるだろうと単独で行く事に不安は無かった。
が 甘かった・・・
流木の動きは想像以上に速く吉野川大橋付近で
すでに足止めにあってしまった。
単独なので
船外機に引っかかった竹や大木を除去するのにも一苦労で
余分な時間をどんどん費やされてしまう。
「真っ暗になるまでにせめて上流には到着したい。」
焦る気持ちを落ち着かせようと焦っている自分を感じながらに黙々と作業徹した。
しかし
曇り空の夕暮れは早く すでにこの時点で辺りは暗くなってきていた。
さらに
最悪なことに今回最大の敵である霧も白い壁のように迫ってきて
前方の視界を一層悪くした。