◆連絡
まだ電話が入る場所だったのでとりあえず
なおちゃんに電話した。
「まあ、まあ まいっちゅう凹。遭難することはないと思うけど
最悪は船で一泊になるかもしれん・・・。その時はよろしく」
自分に余裕を持たせるため半分マジで伝えた。
「よっしゃ、まかいちょき!ムリはせられんで」
なおちゃんが答えてくれた。
短い電話を切った後、焦る自分を深呼吸でごまかした。
「さて、どうしたものか・・・。」
さっきから
フロントのデッキライトの球が切れているのが気になっていた。
懐中電灯でごまかしていたのだが、リヤのデッキライトをフロントに移そうか迷っていた。
「急がば回れ・その方が絶対良いって!」
一分でも早く上流に着きたい気持ちを抑えて
自分に言い聞かせ、思い切って実行に移した。
工具はいつも積んでいるので何とか移設することができた。成功だ。
が、しかし、例の霧であんまり見えないというか
反射して余計に見え難いような・・・。
でも 自分の中でやれることはやったと踏ん切りがついた。
現状況では
これが精一杯の対応だと背水の陣をひき再度戦闘開始となった。